【月星座シリーズ】エピソード ⓿ 月星座とは?

  • 25/09/2023
  • 24/12/2023

月の基本情報

月は地球を回る唯一の自然の衛星である。

西洋占星術では月や太陽に加えて、火星や金星、土星といった天体を扱うが、この中で月は地球に一番近い場所にある。地球から月までの距離は平均384,400キロメートルで、これは地球30個分に相当する。

月は毎年約2.5センチずつ、ゆっくりと地球から遠ざかっている。

地球と比べると月はかなり小さな天体で、半径は約1,740キロメートル(地球の3分の1以下)、重さは8.1 x 10^19トンで、地球の1%弱に過ぎない。

月の表面の重力は地球表面の重力の17%程度と小さいので、宇宙飛行士が月を歩いている映像では、やたらに足取り軽くスキップしているように見える。

そして月は温度差が激しく、その気温は太陽を全面に浴びている場合、約127℃に達し、そうでない場合は零下173℃くらいまで下がる。

月は平均で約27日間(27日と7時間43分11.6秒)かけて地球のまわりを一周する。

この期間は恒星月(こうせいげつ、sidereal month)と呼ばれ、英語のsiderealはラテン語で「星のような」という意味を持つsidereusという単語から来ている。

これは、この期間が恒星を用いて定義されているためで、(地球から見た場合)恒星に対して月が同じ位置に戻った時に、月がその一周を終えたとみなす。

ただし、月が回っていると同時に地球も太陽のまわりを回っているので、地球から見ると新月から次の新月までは約29.5日間(29日と12時間44分2.9秒)かかる。

この期間は朔望月(さくぼうげつ、synodic month)と呼ばれ、英語のsynodicはギリシャ語で「結合、性交」を意味するsundosという単語に由来する。

ロバート・ガーフィンクル(『私たちが見ている月(Luna Cognita)』の著者で、60年以上にわたって月の観察を続けている)によれば、古代ギリシャでは太陽と月は新月の時に交わり、新しい月を生み落とすと考えられていた。

朔望月は月相とも呼ばれ、1940年代には西洋占星術師のデイン・ルディアが、人間はその人が生まれた月相によって8つのタイプに分類できるという考え方を提唱した。

これは月相占いと呼ばれる場合もあり、現在の西洋占星術でも、月相は私たちの性格や人生を読み解く際に使われる。

西洋占星術では、月や太陽、そして木星や水星といった天体がそれぞれのスピードで各星座を巡っていくとされている。

月はほかの天体と比べて移動のスピードがかなり速く、ひとつの星座に平均で2日半しか留まらない。

たとえば太陽はひとつの星座に約1か月留まるので、12星座を一周するのに約1年かかり、木星はひとつの星座に約1年留まるので12星座を約12年かけて一周する。

月星座という観点でいうと、月は移動のスピードが速いので、生まれた時間が数時間しか違わない人たちの月星座が異なるということが起こりうる。

月星座とは?

私たちが「水瓶座です」というように自分の星座を名乗る時、たいていその星座は太陽星座である。

太陽星座は、その人が生まれた時にホロスコープ上で太陽が入っていた星座。

これに対して、月星座はその人が生まれた時にホロスコープ上で月が入っていた星座である。

月星座は太陽星座とは違っている場合が多い(同じ場合ももちろんあるが)。

太陽星座は「○月○日生まれ〜○月○日生まれの人」というように期間が決まっているので、調べたりしなくても自分の星座がわかることがほとんどであるのに対して、月星座には同じような規則性はないので、自分の月星座は調べなくてはわからない。

自分が生まれた時のホロスコープを持っている人は、ホロスコープ上で月が入っている星座を確認することで自分の月星座がわかる。

ただし、下に書いたように、出生時刻がわからない場合、ホロスコープで示された月星座は正確な月星座(自分が生まれた時刻の月星座)とは違っている可能性がある。

ホロスコープを持っていなくても、月星座を自動で出してくれるサイトはたくさんある(すでに自分の月星座がわかっている方は「月星座が表すもの」へどうぞ)。

自分の月星座を自動で出したい方は「月相の自動算出の仕方」をどうぞ

(「月相の自動算出の仕方」では、「アストロ・スタイル」というサイトで自分が生まれた時の月相を自動で出す方法を説明しているが、アストロ・スタイルでは月相だけではなく月星座も出してくれる。そのため、「月相の自動算出の仕方」の①〜⑤のとおりにするだけで、⑥の結果に月相と月星座が表示される)。

「月相の自動算出の仕方」にしたがって月相と月星座を出した場合、下のような画面が表示される(ピンクの囲みや日本語訳は私が説明のために挿入したもので、実際には表示されない)。

上の画像では一番下に書いてあるのが月星座で、つまりこの場合、月星座は射手座である。

ちなみに各星座の日本語訳は以下のとおり。

Aries=おひつじ座、Taurus=おうし座、Gemini=双子座、Cancer=かに座

Leo=獅子座、Virgo=乙女座、Libra=天秤座、Scorpio=さそり座

Sagittarius=射手座、Capricorn=山羊座、Aquarius=水瓶座、Pisces=魚座

出生時刻がわからなくても正確な月星座はわかる?

上の「月の基本情報」でも書いたように、月は移動のスピードが速いので、生まれた時間が数時間違うだけでも月星座が変わるということがありうる。

つまり、生まれた時刻がわからないと、正確な月星座を特定できない場合もある。

月星座を自動算出するサイトの中には、生まれた時刻がわからない場合には、誕生日の12:00(正午)を生まれた時刻として計算するものもある。

生まれた時刻を誕生日の12:00としても月星座に影響がない(=生まれた時刻がわかっている場合と月星座が変わらない)のは、その人が生まれた時刻に月が入っていた星座と、その日の12:00に月が入っていた星座とが同じ場合である。

たとえばある人が自分の生まれた時刻がわからないので、出生時刻を誕生日の12:00として月星座を調べてみたら、獅子座という結果が出たとしよう(そして私たちはその人が実は14:00に生まれたことを知っているとしよう)。

その人が生まれた日、月が入っていた星座が12:00でも14:00でも獅子座であれば、その人は自分の正確な月星座を知ったことになる。

けれどもその日の13:30に月が獅子座から、次の星座である乙女座に移動していた場合(当然14:00には月は乙女座に留まっているので)、この人の正確な月星座は乙女座ということになる。

それでは自分の生まれた時刻がわからない場合はどうすればいいのか?

正確な月星座を知るには生まれた時刻を知るのが一番よいのだが、

生まれた時刻がわからないので誕生日の12:00として、自動で月星座を出してみた

その月星座に何となく納得がいかない

という場合、自動で出した月星座のひとつ前の月星座と、ひとつ後の月星座の特徴を確かめてみて、どちらか自分に合っていると思ったほうを自分の本当の月星座だと考えるということもできる(いずれにせよ生まれた時に月が入っていた可能性がある星座は、自動算出で表示された星座か、そのひとつ前か、ひとつ後の星座のどれかである)。

たとえば、自動で出した月星座は山羊座だったけれど、月星座が山羊座の人の特徴が自分にはことごとく当てはまらないという場合、ひとつ前の射手座と、ひとつ後の水瓶座の人の特徴を月星座で確かめてみて、「月星座が射手座のほうがずっと自分に当てはまることが多い」と思ったら、実は自分の月星座は山羊座ではなく射手座なのだと考えることもできる(そして実際に正確な月星座は山羊座ではなく射手座の可能性ももちろんある)。

あるいは、誕生日の正午の月の度数がわかれば、月星座候補を2つに絞ることができる。

また、月の度数がわかる場合には、生まれた時刻が不明でも正確な月星座を特定できる可能性もある。

たとえば上で説明したようにアストロ・スタイルのサイトで月星座を出した場合、星座の後ろに度数と分数が表示される。

下の例の場合、ピンクの囲みにあるように月星座は射手座、その後ろのかっこ内に書いてある20°13′が月の度数と分数である(分数は最大60)。

ホロスコープ上、月は平均して1時間に0.5°、12時間で6°移動する。

ホロスコープではひとつの星座が占める度数は30°で、30°を超えると次の星座に移る。

つまり、誕生日の正午の月の度数に6°を足すと30°を超える場合には、その日、月はある星座から次の星座に移動していた(=月が2つの星座に位置していたので、月星座の可能性のある星座候補が2つある)ということになる。

反対に誕生日の正午の月の度数から6°を引くと0°を下回る場合、月はその日、(自動で算出された星座より)ひとつ前の星座に位置していた時間帯があった(=やはりここでも月星座の可能性のある星座候補が2つある)ことを示している。

正午の月の度数に6°を足しても30°を上回らないし、6°を引いても0°を下回らない場合は、その日1日、月は同じ星座に位置していたということになる。

ということで、このような場合には、生まれた時刻がわからないので誕生日の正午を生まれた時刻と仮定して月星座を出したとしても、自分の正確な月星座を特定することができる。

上の画像の例で考えると、月は射手座の20°13′に位置していて、20°13′に6°を足しても30°を超えないし、6°を引いても0°を下回らないので、いずれにせよ月星座は射手座である。

これがたとえば下のようなケースだと話が違ってくる。

上の画像はジェフ・ベゾスの出生情報を元に計算した月星座の結果である。

ただし、彼の生年月日や出生地は公開されているものの、出生時刻は不明なので、誕生日の正午を仮に出生時刻として計算している。

表示されているように月星座は射手座で、星座の後のかっこ内に書かれている度数は28°22′、つまり6°を足すと30°を超える。

射手座の次の星座は山羊座である。

つまりこの日、月は射手座から山羊座に移動している。

ということで、彼の月星座は射手座の可能性もあるし、山羊座の可能性もある。

正確な月星座を特定するには、出生時刻を知るしかない。出生時刻を知るのが難しい場合には、上で書いたように「月星座が射手座と山羊座、どちらが自分にとってより納得がいくか」を考えて決めるということもできる。

月星座が表すもの

西洋占星術では、太陽は私たちそれぞれのアイデンティティや、外向きの顔(つまり他の人たちに見せる自分)、人生の目的などを表すのに対して、月は感情や、(考えて取るのではない)自然な反応、内面の世界などを象徴するとされる。

月は私たちの感情や、感情の変化(と変化の仕方)を司るものと考えられているが、月だけが感情に関係しているわけではない。

イギリスの西洋占星術師、サーシャ・フェントン(これまでに西洋占星術やタロット、手相などに関する本を100冊以上出版している)によれば、太陽も、そして火星や金星といった惑星もすべて、ある種の感情を表す(たとえば太陽は喜びや幸せ、火星は嫉妬や憎しみというように)。

これに対して月は、安心感(どのような状況を快適だと感じるか)や、感情面で必要なこと(自分にとって守られている、愛されていると感じるには何が/どのような状況が必要か)を象徴している。

月は私たち一人ひとりにとっての(考えたわけではない)自然な反応や行動、習慣も司っているので、私たちは子どもの頃や若い頃には、自分の太陽星座の特徴よりも、無意識に月星座の特徴に合う行動を取っている場合が多い。

太陽は社会的なものとの関連性が強いので、太陽星座の特徴はもう少し年齢を重ねてから現れる傾向がある。

西洋占星術では、ホロスコープ上で太陽や月、そして惑星が入っている星座は、その惑星(あるいは太陽か月)の性質がどのように現れるかを示すとされている。

つまり月星座は、私たちの人生において、月の性質がどのように現れるのかを教えてくれる。

上で書いたように、月は私たちの感情や自然な反応と結びつきを持つとされ、このほかにも次のような要素を象徴するとされる。

内面、他の人には見せない自分

月は、私たちが信頼している人の前でしか見せない心の奥底、つまり最も傷つきやすい部分を表す。

アメリカの西洋占星術師、エイミー・ヘリングは、その著書『月の西洋占星術:星座とハウスをとおして月を学ぶ (Astrology of the Moon: An Illuminating Journey Through the Signs and Houses)』の中で、月は家の中の場所で例えると、プライベートな領域である寝室か、あるいはそれよりも隠された空間である寝室のクローゼットだと書いている。

女性、母親

月は私たちが知っている特定の女性(たとえば母親、妻、女性の上司)や、私たちが女性とどう関わるかを表す。

月は母親を象徴するとされる場合も多いが、必ずしも母親に限定されるわけではなく、母親のような存在(たとえば自分を育ててくれた人、性別は問わない)も含む。

月星座は、自分を育てるにあたって中心的な役割を担ってくれた人(これは人によって、母親かもしれないし、父親や、あるいは家族でない人かもしれない)がどのような人だったか、その人が自分にどのような影響を与えたか、そして、自分はその人にどのように育てられたかを表す。

この意味で、月は私たちの子どもの頃の経験と結びついている。

家、家庭

月は家、特にキッチンとの関連性が強い。ある人の月星座を見ると、その人がどの程度キッチンや料理に興味があるか、わかる場合もある。

月はまた、私たちが家庭での生活や家族についてどう考えているかも表す。これはたとえば、どのように家族と関わるか、どの程度家庭での生活を大事だと思っているかといったことである。

旅と海

月はかつて、新月の度に海に姿を消すと考えられていた。

このため1846年に海王星が発見されるまでは、西洋占星術では月は海や、(海から連想されるということで)旅と結びつけられていた。

現在では海に関連するテーマは海王星の領域とされているものの、月の影響が色濃いホロスコープを持つ人は、川や海など、水のたくさんある場所の近くに住むことを好む場合が多い。

月はまた、日々刻々と姿を変え、時には完全に地球から見えなくなり、私たちの前から姿を消すという性質から、私たちの何かを変えたい、何かから逃げ出したい、遠ざかりたいという望みを表すと考えられている。

このような性質は旅とよく合うこともあり、月星座からはその人が旅をどうとらえているかも見ることができる。

ここまでに挙げたのは月の性質のうちのいくつかの例なのだが、月星座という観点で言えば、月はその性質を、自分が入っている星座をとおして表現する。

たとえば月がおひつじ座に入っている場合、月の性質はおひつじ座というフィルター(何か新しいものを作ったり、新しいことを始めたりするのは得意だけれど続けるのはそうでもないだとか、リスクを怖れないだとか)をとおして表現されることになる。

つまり、入る星座によって月の性質の表れ方は違っている。

文献

(1) National Aeronautics and Space Administration (NASA). (2022, July 27). Earth’s Moon: in depth. https://solarsystem.nasa.gov/moons/earths-moon/in-depth/

(2) National Aeronautics and Space Administration (NASA). (2021, May 13). Moon.

https://www.grc.nasa.gov/www/k-12/rocket/moon.html

(3) Garfinkle, R. A. (2020). Luna Cognita: A Comprehensive Observer’s Handbook of the Known Moon. Springer.

(4) Rudhyar, D. (1967).  Lunation Cycle: A Key to the Understanding of Personality. Aurora Press.

(5) Miller, S. (n. d.). The Moon. Retrieved September 10, 2023, from https://www.astrologyzone.com/learn-astrology/the-planets/the-moon/

(6) Hermes Astrology. (2023). The Big Three in Astrology: Sun – Moon – Ascendant.

(7) Fenton, S. (2015). Sasha Fenton’s Moon Signs (2nd ed.). Stellium Ltd.

(8) Herring, A. (2021). Astrology of the Moon: An Illuminating Journey Through the Signs and Houses. Llewellyn Worldwide Ltd.

(9) Faulkner, C. (2017). The Signs: Decode the Stars, Reframe Your Life. Penguin Random House.